愛媛伝統工芸士
有高 智佳代 様dual-mode
愛媛伝統工芸士の有高智佳代さんの表現する水引アート(仮面)とオートクチュールのコラボです。
仮面がdual-modeに新しく息を吹き込む。
水引の仮面
「有高さん、私の考えたものを水引で作ってくれはりますか?」
教育委員会主催の講演に日本障害者芸術文化協会の会長そして現代芸術家として当地を訪れ、弊社を見学された(故)嶋本昭三先生※が帰り際におっしゃったこの言葉が水引の仮面の始まりです。1997年のことでした。
現代芸術とは対極にある伝統工芸には今まで触れることがなかったが、ふとそれゆえに面白いと思ったというのが先生との後日談。
先生の依頼は「私の頭(先生はスキンヘッド)の中に水引で遊んでみて下さい。」というものでした。
仕事とは違う解放感に私は時間を忘れて制作に没頭しました。
「有高さんの作品には優しさがあります。」
何をしても受け入れてもらい、仮面の数はどんどんと増えていきました。
作品は先生と一緒にNHKの新日曜美術館で紹介されたり、海外の芸術展で受賞したりしました。
でもそれは私だけの秘かな楽しみの世界のことでした。何より、世界的に著名な現代芸術家である先生の物事の捉え方は自由で革新的で、私の発想を柔軟に導いてくれました。商品をデザインする上でその精神は息づいていることを感じ、感謝しています。
その仮面がこの度dual-mode様と出会い、新たな気づきをいただきました。
有高扇山堂に脈々と受け継がれてきた技術があるからこその仮面だということです。仕事としてあまりにも当たり前だった水引素材の魅力、先代社長が業界初の『現代の名工』認定を受ける水引細工の技術、その土台の上での創作であること。
伝統を今に生かす・・・dual-mode様の想いと共に嶋本先生の教えをやっと形にできる時が来たのだと思います。
※嶋本昭三
1954年、戦後日本の現代美術を代表する「具体美術協会」の創立メンバーとなる。「具体」という名の提案者。以降主な具体全展に出品。具体美術展に出展した、瓶詰した絵具を画面上で炸裂させる大砲絵画パフォーマンスや、ヘリコプターよりペイントを落としての絵画制作パフォーマンスなどが有名。
1970年代より「メールアート」と称した年間60か国8000のネットワーク交流によって世界の多くのプロジェクトに参加。国内外で精力的に活動を続け高い評価を得ていた。1976年、前年に結成された「アーティスト・ユニオン」の事務局長に選ばれる。
1998年、アメリカMOCA「戦後の世界展」に世界の四大アーチストの一人に選ばれる。
(出典:Wikipedia)